漆喰について
漆喰とは瓦屋根にのみ使われており、棟部分に使用される接着剤のような役割をはたすものになります。
瓦を積み上げて作り上げられる瓦屋根は頂点部分の棟でさらに固定し、鬼瓦や冠棟を積み上げて作り上げられているため立派な家の象徴として印象的かと思います。
今回はそんな日本ならではの瓦屋根を支える漆喰についてご説明いたします!
漆喰の寿命
20〜30年と言われています。瓦が良いもので60年ほど寿命があるのに比べ湿気雨は天候による影響を受けやすいこともあり半分の年月で劣化が進行していきます。また、日光による紫外線、寒暖差による湿潤と乾燥、災害による振動や揺れなどが劣化の主な原因となってきます。
経年劣化
漆喰も経年により劣化しますが、地上から確認することも可能なため劣化について知っておくことが重要です。
▼代表的な劣化
劣化症状 |
原因 |
欠け・ひび割れ |
数ヶ月経つごとに漆喰は乾燥していきます。また、雨が降ると水分を吸収し湿潤、また乾き乾燥を繰り返します。乾燥すると漆喰は硬化していくため、振動や衝撃により欠けたりひび割れたりします。 |
変色・苔 |
経年により黒ずんだり苔が発生したりします。漆喰が水分を含む性質であることもそうですが、棟を積み上げる際に入れ込む葺き土も水を吸収してしまうため水分が多くなることで苔が発生します。また、雨漏りの原因に繋がってしまいます。 |
剥がれ |
年月が経つと「欠け・ひび割れ」部分がより乾燥し脆くなることで、漆喰自体が剥がれ落ちてしまいます。剥がれ落ちると屋根の上に欠片が落ちてくるため、風が強い日や雨の日は落下してくる可能性があり危険を伴います。ただし、剥がれたからといってすぐに雨漏りしてしまうわけでは無いため、この場合はまず状況をチェックし、メンテナンスを行うことが重要です。 |
欠け・ひび割れ
変色・苔
剥がれ
劣化度合いによる施工内容
軽度の劣化:漆喰の表面だけの劣化や、一部劣化の場合
塗り直しのみで補修工事として施工可能
※施工実績ページ:「漆喰入れ替え」にて詳細をご確認ください
重度の劣化:漆喰の表面だけでなく内部まで脆くなり棟の葺き土も弱くなっている劣化状態の場合
棟部分の瓦を取り外し(解体)、葺き替え工事が必要
漆喰の寿命を伸ばす方法
南蛮漆喰を使用する。
先ほどお話ししたように瓦屋根の構造として、棟は葺き土を使用して積み上げ漆喰で固定するという仕組みになっています。この従来の造り方ではどうしても層ができてしまうため層と層の間に雨が入り込んだりそのほか剥がれなどの劣化につながります。
南蛮漆喰を使用することで、吹き土と漆喰を南蛮漆喰一つで仕上げることができ層を作らずに積み上げ、固定することができます。また、漆喰を塗り替える必要もなくなるため、定期的なメンテナンスも少なくて済みます。
まとめ
漆喰は瓦屋根の棟を固定する接着材の役割を果たしており、瓦に比べて経年劣化が早く表面的な劣化だけでなく剥がれ落ちてくる可能性もあります。
従来の棟は葺き土で積み上げられ、両側を漆喰で固定している構造となっているため層ができてしまいます。これにより天候による影響だけでなく、層の隙間からも劣化が進行してしまいます。
劣化具合によっては、漆喰の塗り替えだけで工事が可能ですが、内部まで劣化が進行しひどい状態であれば葺き替え工事が必要となります。
従来の構造を保ち再構築することも可能ですが、南蛮漆喰を使用することでさらに丈夫で劣化が少なく頻繁なメンテナンスも不要な構造に作り替える工事を行うことも可能です。
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