
今回は外壁の『クラック補修(ひび割れ)』についてご紹介!
目次:
1.外壁の種類
ここではご家庭に設置されている外壁に着目し、各特徴についてご紹介させていただきます。
<モルタル>
外壁の種類の中では窯業系サイディングの次に多く使用されている外壁材です
仕上げ方法には種類があり、職人の技により生み出されるデザインとなるためお客様好みに仕上げやすいです
パターン:リシン・スタッコ・吹き付けタイル・佐官仕上げ(左から、無造作な凸凹デザインの小中大というイメージ)
リシン スタッコ 吹き付けタイル 佐官仕上げ
<サイディング>
サイディングには4つの分類があります。
- 窯業系サイディング
日本住宅の約70%に選ばれている外壁材で、多くのメーカーが取り扱っているためバリエーションが豊富です



- 金属系サイディング
サイディング材の中では窯業系の次に多く選ばれています
窯業系より軽量で建物への負担が少なく、耐震性に優れているためリフォームを行う際に入れ替えとして採用されることが多いです



- 木質系サイディング
材質が木材となっているためぬくもりのある雰囲気に仕上げることができます
しかし、木材であることの欠点として、劣化により防水性が低下し雨水による腐食や苔の繁殖は付きものとなります
また、消防法の制限により木材の使用が不可となる地域もあるため事前調査が必要です
※消防法:火災予防や、火災時の鎮圧、災害時の対策として定められている法律。火災から身を守ることを目的とし、被害を軽減させるために定められている。

- 樹脂系サイディング
木材自体に色が練り込んである材質で塗装を行わないため、塗装による劣化の心配がありません
また、塗装を行う必要がないため耐久性が高くメンテナンスの手間がありません
日本ではあまり普及していないこともあり、施工ができる業者は限られてしまいます


<ALCボード>
「軽量気泡コンクリート」とも呼ばれ、コンクリートの一つです
水に浮くほど軽量な素材で、伝熱を抑制するため、暑さや寒さから室内温度を一定に保つ断熱効果があります
水分や湿気を吸い込みやすいため、防水性を保つための塗装のメンテナンスが必要です


<タイル>
おしゃれな外観に仕上がり、劣化による変質等が起こりにくい素材でメンテナンスの手間は少ないですが初期費用が高額となる場合が多いです


2.外壁の主な劣化症状
外壁に起こりうる主な劣化症状とはどんなものがあるのか?
◾️ひび割れ

◾️コーキングのひび割れ

◾️外壁材の反りや浮き

◾️塗膜のはがれ

外壁材ごとの発生しやすい劣化症状とは?
モルタル:外壁材のひび割れや浮き、はがれ
サイディング:シーリング部分のひび割れ
タイル:シーリング部分のひび割れ
ALCボード:地震や大きな衝撃を受けることによるひび割れ
基本的に上記のような劣化は地震などの影響で発生するものではありますが、屋内を守る役割を担う中で、雨や日光からの紫外線・季節による湿気や乾燥なども影響してくるため
地震等ではなくそれ以前に劣化症状が見受けられた場合も、家のSOSと捉えてもおかしくありません。
さらに、各素材部分の経年劣化の発生により、少しずつではありますが家の強度が落ちているという目印でもあります。
小さな傷だからといって放置はせず見つけた場合はすぐにメンテナンスを行なったほうが良いでしょう!
3.外壁の主な補修方法とは?
外壁の補修方法を劣化症状に合わせてご説明させていただきます。
『クラック補修』
該当素材:モルタル材・サイディング材・ALCボード
クラック部分をU字型にカットし、シーリング材を充填して補修する工法



ひび割れ状態 Uカット補修 シーリング打ち込み/完工
◾️注意
Uカットをせずシーリング材のみでクラックに塗るだけや塗装の下塗り剤で埋めてしまったりする業者も多いですが、それを行うとクラックが3年くらいで浮き上がってしまい再発してしまいます。手間は掛かるがモルタル外壁に関しては必ず0.3ミリ以下のヘアークラックでもUカット工法をすることが重要となり、結果として何度も工事をする手間や費用を抑えることが出来ます。
『シーリング入れ替え』
該当素材:サイディング材・タイル
外壁材の繋ぎ目部分となるシーリングの入れ替えを行い再打設する工法





既存シーリング撤去 プライマー塗布(糊の役割) 新規シーリング打設 シーリング打ち込み 完工
◾️注意
シーリングの補修では、増し打ちと呼ばれるひび割れ部分のみに打ち込む工法もあるが、この工法だと劣化部分が土台となってしまうため、劣化が進行した場合に新たに打ち込んだ箇所も一緒になって剥がれ落ちてしまいます。そのため、基本的にひび割れ部分に該当する縦や横部分は全て入れ替えを行い再打設します。
『部分取り替え』
該当素材:サイディング材
外壁材の反りや浮きの状態にあわせ、釘の緩み等であれば釘の打ち直しを行いますが、それでも症状が改善されない場合は部分的なボードの張り替えを行います。
4.まとめ
外壁材も種類によっては劣化の発生箇所や症状が異なり、修復方法もそれらに伴い合わせる必要があります。
塗装で覆うことで修復とする業者もいますが、今回の紹介内容を把握いただき必ずご自身の目で見てご判断をいただくことが重要です。
また、コスト面だけでなく家の耐久性や寿命にも繋がってきますので、ご自身での判断が難しい場合は工務店や業者に相談してみると良いかもしれません!