◾️スレート屋根のメンテナンスについて

 

今回は『スレート屋根』のメンテナンス方法についてご紹介!

 

目次:

  1. スレート屋根とは?
  2. アスベストのスレート屋根とは?
  3. NGなメンテナンス方法とその注意点!?
  4. 最適なメンテナンス方法!
  5. 最後に

 


 

1.スレート屋根とは?

スレート屋根とは、セメントを主成分として作られている屋根材のことをいいます。

<化粧スレート><天然スレート>の2種類があり、一般的に使用されているのは化粧スレートで、普及率が高く、外を歩けばあちこちで目に入るほど馴染のある製品です。一方、天然スレートは古来ヨーロッパから採用されており高級感が特徴的ですが、高価であることから化粧スレートに比べ見かける機会は比較的少ないです。

 

今回は、多く普及している『化粧スレート』に着目してご紹介させていただきます!

 

<化粧スレートの特徴>

主な用途:戸建て住宅の屋根

主な材質:セメント

  形状:平な板・厚み約5mm 

  特徴:安価・軽量・不燃性で、耐水性が高い・施工しやすい

2.アスベストのスレート屋根とは?

スレート屋根にはアスベストを含むものと、含まないものとで2種類が存在します。

アスベストとは?

アスベストとは、『石綿』とも呼ばれ、ヒトの髪の毛よりも非常に細く肉眼では見ることができないほど極めて細い繊維のことです。飛散すると空中に浮遊し、それを吸ってしまうと肺胞に沈着しやすいという特徴があります。そして、肺の組織内に長く滞留してしまうことから、肺がんや悪性中皮腫などの病気を引き起こす可能性があるのです。

 

しかしながら、丈夫で変化しにくく、熱や摩擦・酸やアルカリに強い繊維であるという特性から、建材(スレート屋根など)や摩擦材(ブレーキパッドなど)といった様々な工業製品に使用されてきました。

 

昔のスレート屋根にはアスベストが含まれていた!?

1960年代から2000年代初め頃、スレート屋根は、耐久性と断熱性に優れた『アスベスト』を混ぜ込み作られていました。しかし、アスベストは人の健康に有害であることから2004年頃に屋根材への使用が禁止され、現在では販売及び取り扱いが禁止とされているのです。

 

このような歴史があるため、スレート屋根は現在でも深く着目されているのです。築30年を目安に屋根を工事またはメンテナンスしていないご家庭は特にチェックしてみると良いかもしれません。

3.NGなメンテナンス方法とその注意点!?

スレート屋根は、アスベストが混ぜ込まれている昔の製品であれば塗装でのメンテナンスが可能ですが、混ぜ込まれていないノンアスベストスレートの場合は塗装でのメンテナンスが出来ません!

 

塗装ができないのはなぜか?

ノンアスベストは耐久性が低く脆くなりやすい性質であるため、屋根材自体の不具合が出た際、塗装を施したとしても塗装だけのメンテナンスでは補強効果がありません。例え塗装したとしても、結局数年後には屋根材がさらに劣化してしまい再工事が必要となるなどよりコストがかかってしまいます。

そのため、塗装でのメンテナンスでは無意味な工事となることから、塗装でのメンテナンスはNGとされています。

 

代表的なメーカーごとの特徴

ニチハのパミール材

ミルフィーユのように塗装が塗装が層状にバリバリと剥がれてしまう。

 

ケイミューのコロニアルNEO材

無数のひび割れや欠けが目立ち塗装すると耐久性が低い

 

ケイミューのレサス

歩くだけで割れてしまう屋根材耐久性が低い

 

ケイミューのグリシェイドNEO

塗装後間もない状況でのひび割れが非常に多い屋根材

 

松下電工のエコシンプル

ひび割れしやすい屋根材

 

セキスイ瓦U(ノンアスベストタイプ)

アスベスト入ってるタイプは再塗装可能でノンアスベストのタイプもあり、ノンアスベストタイプは割れ方が酷く原則塗装NG

 

クボタのザルフグラッサ 

割れやすく塗装してもすぐ割れる

 

クボタのセイバリーNEO

割れやすく塗装してもすぐ割れる

4.最適なメンテナンス方法!

塗装ができない今回のような屋根材の場合は、次のような工事が必要となります。

 

屋根葺き替え工事

既存の屋根材を全て撤去し、新たな屋根材を設置する葺き替え工事(カバールーフ工法)で対応していきます。

工事における注意点

屋根材が一部割れているなどの場合、屋根材を一部差し替えるなどの補修は原則NG!

 

なぜか・・・?

 

一部のみの差し替え工事は、特殊な工具を使用し屋根材を抜き取る必要があるため、抜き取る際に他の屋根材に衝撃がいってしまいます。そのため、施工中に周辺の屋根材が脆くなってしまう可能性があります。

また、仮に部分的な差し替えのみを行い、周辺の屋根材は破損してないからとそのまま使用してしまうと、結局は差し替えた既存の屋根材と同じ年数が経過しているため、2〜3カ月で新たなヒビ割れや欠陥が発生してしまいます。つまり、イタチごっこのように差し替えを行うことになってしまうからです。

5.最後に

このように、ノンアスベストは塗装工事をしても耐久性が非常に悪く、工事自体が無意味になってしまいます。

塗装工事は葺き替え工事(カバールーフ工法)と比べるとコストがかからないため、塗装工事を提案してくる業者も少なくありません。

 

今回の内容をしっかりと把握しておくことで無駄なコストをかけずに、耐久性がある丈夫な屋根を作り上げていくことで、長く安心して住み続けられる家づくりにつなげていきましょう。